TOP関空 〜 香港
 5年前同様イギリスは再び「アイルランド紛争」で爆弾テロが多発している。こんな事を少し気にかけながら、二人の娘の事を妻に頼み9月20日タイ航空ジャンボTG727に乗った。機は定刻の19時25分離陸し6時間で真夜中のバンコク空港に着いた。そこでTG914に乗り換えヒ−スロへ向かう。機は途中約6時間後、給油を兼ねデリ−空港に降りた。そこで一部の乗客が降りその空席を新たな乗客が埋めた。丸顔の明るいインド青年が「こんにちは」と挨拶して私の横に座った。彼はカバンからウオ−クマンを取り出した。「これはソニ−製だよ」とまるで自国の製品のように自慢し始めた。「ソニ−製でも日本で造られたとは限らないよ」と言うと、彼はニヤッと意味ありげに笑いながらウオ−クマンの裏を見せた。「MADE IN  JAPANと刻印されている日本製に間違いない」と誇らしげに強調した。機内食を食べながら彼と話した。彼は叔父が経営しているロンドン北部のケミカルシュ−ズ工場で働いていて、インドにはよく帰るらしい。

 彼はインドの自宅の電話番号をメモし、機内食が終わると眠ってしまった。尾翼の方向に暗闇の世界から太陽が出始じめ、周辺が薄い赤紫色を帯びて来た日の出の瞬間だ。太陽が昇るにつれ空は青空に、眼下の黒い雲が「ふわふわ」の白い真綿のジュ−タンになった。機はグライダ−の様に「フワリ」と飛んでいる。眼下の純白の雲と青空が、見事な白と青のコントラストを造っている。雲の切れ目から眼下に砂漠や大草原が見える。「黄色の泥水」の川が「くねくね」と蛇行している。飛行高度は1万mなのにはっきりと地形がわかる。ここは「イラン北部」辺りの海抜3000m位の高地の上を飛んでいるのだろうか。機はデリ−からアフガニスタン北部、フランスそしてロンドンに入るようだ。彼は良く眠っている僕も眠る事にした。ヒ−スロ−まで6時間、格安旅券の長い旅である。