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ラウンドタワー
高さ50m以上の石のタワ−が聳えている。中世教会の廃墟とケルトの墓がある
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灰色の石造りの塔で円錐の丸い煙突のようだ。底辺は直径10m以上あるが下部に塔への入り口はない。高さ20mほどのところに石壁をくりぬいた小さな窓が2つ、さらに上部に3つある。窓は一辺が1m〜2m程度の小さなものである。塔の中に、どのようにして入るのだろうと不思議に思った。「あなたの祖先もケルトなんですか」と尋ねた。「そうと思っているんだ。だから僕はケルト語の保存には努力している」と言いながら僕のカメラを見て、「あそこから塔が綺麗に取れるよ」と薦めてくれた。 |