さよならゴールウエイ 日本人女性との奇跡の出会い

 ホテル前を右に曲がるとゴ−ルウエイ駅入り口だ。今日も長距離定期バスが横ずけにされている。駅前にギネスビールのバーがある。今回は入る機会はない。奧の改札口で「往復チケット」を提示し構内に入った。今日は構内全体が込み合っている。ホ−ムの東端から汽車の先頭(西)に向かった。「最後の車両」迄で来た。そして、そのデッキから車内に入った。乗客は若い人が多い。ダブリンやロンドンに行く(帰る)のだろうか。ヒューストンから来た時のような、「銀河鉄道のメ−テルとの二人旅」とえらい違いである。
  
  GUNNES TIME
   FOX'S BAR


駅前にあるこのギネスビール・バーの存在に気がつかなかった。帰る日ゴールウエイ駅に来た時「発見」した。
  列車に乗り込むと、最後列の4人掛けシ−トだけが空いている。壁側に座った。「ここに、あと3人は座れる」と思っていると、前の座席に若いカップルが座わった。空席は私の横だけだ。車両の後方をぼんやりと見ていた。リュックサックを担いだ、小柄な女性が空席を求めながらやって来た。彼女の姿が近づくにつれて日本人だと思った。彼女は唯一の空席である僕の横の座席を見ながら、「この席は空いているんですか」と流暢な英語で聞いてきた。彼女が日本人だと確信を持っていたので「どうぞ」と言うと、彼女は「やはり日本の方でしたかほっとしました」とニッコリして、リュックを降ろして横に座った。ヨーロッパ西の最果ての街で、見知らぬどうしの日本人旅行者が、最後の列車の空席に同席するなんてこんな奇跡は二度とないだろう。列車は、定刻2時過ぎ発車した。トンネル状のゴールウエイ駅を一度西に進みUターンしながらダブリンに向かった。
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