関空から10時15分発CX503で香港に向け出発した。天候は晴れ眼下の景色がきれいだ。機は高度1万mマイナス50度の中を、時速900kmの速さで高知から 南九州の上空を通り香港に向かった。13時15分うす曇の香港空港に着いた。香港からロンドンへ約2時間の待ち時間後、15:05発のCX253に乗り継ぎロンドンに21時05分に着く予定だ。 15年前(最初の一人旅)、同じ経路(ただし伊丹空港発)でイギリスに行った。当時は待ち時間が3時間あった。僕の横に座った若いドイツ人とすっかり仲良くなった。彼はシマノ(株)での研修を終え西ドイツ(当時)へ帰国の途であった。彼は「香港で妹に土産を買うので僕と街に出ないか」と誘ってくれた。もちろん同意した。
彼は空港を出ると、「ついておいで」とタクシーで中心のデパートに直行し「彼女?」への土産を買った。「僕の用事は終わったのでいいところへ案内するよ」と、フェリーに乗りケーブルカーで香港島を案内してくれた。今も香港をよく知り旅なれた者は、この僅かの時間を利用し町に出て土産を買って来るのだろうか。僕は乗り継ぎを済ませ、あのドイツ青年と向かった出発ゲートに歩いた。空港ビルはすっかり変わり新しく巨大だ。明るい土産店やレストランが、店には毛沢東、ケ小平の本が並んでいる。ここは今はもう中国なのだ。彼が「西ドイツに帰った」あの時、ここはイギリス領で、まだ「ベルリンの壁」があったのだ。僅か15年歴史の流れ
に驚く。
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