  
シャムロックの刺青をした若い母親
今日もパブCrownで飲んで帰ることにした。Egallスクエアーから高層ヨーロピアンホテル、さらに遥か向こうの山並みが霞んでいる。歩道が広いのでビルの威圧感がない。City Hall周辺は賑やかで梅田や難波のようだ。若者に刺青が多い。腕や手首に蝶などのイニシャルがほとんど。ダブリンではわずかしか見かけなかった。僕の前を長身の彼女と、その後ろをベビイ車に子供を乗せた低めの彼が歩いている。T-シャツを着た彼女の左腕に、小さい緑の刺青が見える。よく見るとシャムロックのイニシャルだ。「まさか、この花」がと多少ショックを感じた。気を取り直して彼に近づいて、「奥さんのシャムロック写真に取らせてくれませんか」と聞いてみた。
「聞いてみたげるよ」と苦笑いをした。ベビイカーを押しながら彼の前を歩いている彼女に尋ねてくれた。振り返り僕の顔を見た彼女は、さりげなく「NO」と答えて歩き始めた。ダブリンと違う、ここは「静かな質素」のアイルランドではない。大きい街ではないが、「派手」に賑やかで車も高級車が多い。人の雰囲気も「歌舞伎町、アメリカ村」のようなサイケ的な要素もある。ここは、ダブリンでもロンドンでもない。「宗教、民族の対立」を表面で回避するごとく、ダブリン、ロンドン、「ニューヨーク」が混在しているようだ。サイケデリックなムードが漂う。パブへ向かう。
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