TOP高級百貨店  グレイスNEXT ダブリンのタクシー       下アビー通りからオコンネル通りに入った。右側に高級百貨店グレイスがある。正面玄関は歩道から石段を上がらなければならない。店内は落ち着いた豪華な雰囲気で、1階の中央にス−ツ類が並べられている。「皮ジャン」の場所を店員に聞くと、「奥です」と答えた。日本の百貨店の様に、わざわざお客様をその場所迄「お連れする」案内はない。僕はその方が有り難い。広い売場面積の割には店員が少ない。10着程の皮ジャンがハンガ−に吊されている。まだシ−ズンでないのか商品は少ない。手にすると、軽くて艶がいい。内側にイギリス製200ポンド(3万6千円)の値札が付いている。しかし、僕はショッピングセンターの100ポンドの方でいいと思った。細身の若い男性店員が近寄って来た。「これらは去年の在庫(赤札)で買い得です。普段なら2倍はします」と言った。これらの品物は日本の百貨店なら10万円はするだろう。タイやシンガポ−ルのように店員が客に執拗に付きまとうことはない。

店を出て、オコンネル通りの優雅な歩道を南のレフィ川に向かった。空は曇っている。昼のオコンネル通りは賑わいがある。この当たりは次の横断歩道まで距離があるため、車が途切れるのを見てこの広いオコンネル通りを一気に走り抜ける者が絶えない。僕も「赤信号、皆で渡れば怖くない」と若い連中の後について渡った。さらに南下して中アビー通りに入った。古い石畳の通りで客で賑わっている。「バッグ屋さん」、「靴屋さん」の呼び方が似合う「庶民」的な通りで値段も安く日用品店もある。南に折れると古いビルがレフィ−川の手前まで続いている。その突き当りが歩道専用のハ−フペニ−橋である。道路の両側に客達が路上駐車をしている。歩行にも車の進行にも支障がある。ダブリンで始めて見たひどい路上駐車の光景だ。道は北行きの一方通行に規制されている。通行する車も人もうまく通り抜けていく行く。日本なら駐車違反だろう。しかし、取り締まる警察官の姿はない。2日間歩いたが一人の警察官も一台のパトカーも見たことがない。話は違うがいまだ一滴のギネスビ−ルも飲めていない。

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