時計は7時半を過ぎていた。街灯が鈍い光で、ブリックで敷き詰められた歩道を照らしている。一直線のペムブロ−ク通りを端迄見渡しても人影はない。4〜5階建てのビルの窓に灯りのある部屋は少なく、走る車の姿は一台もない。明かるいところはバ−かレストランだけ。肌寒くなってきた。買いだての皮ジャンを着てみた、ぴったりして暖かい。「買ってよかった」と思いながらパコット通りに向かった。閑静すぎて寂しく感じる。バ−、コンビニには僅かなお客の姿がある。
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PM8時 ナッソー通り
閉店している店のショ−ウインドウの中に、服や、セ−タ−がライトアップされていて、昼間より綺麗に見える。前を通る人はまれ、時々、ヘッドライトの光が通り過ぎていく。
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ダウソン通りからナッソー通りに来た。右手にトリニテ−、左側にライトアップされた「石の」アイルランド銀行が、昼間とは違った姿で建っている。御堂筋の淀屋橋のあたりによく似ている。しかし、中心街オコンネル通りに近いこの通りでさえ、車も人も本当に少ない。ダブリンとはヨーロッパの最果ての孤島なのであろうか。8時過ぎの淀屋橋なら、信号待ちのタクシーや自家用車が列を作り、歩道には仕事を終えたOLやサラリーマンの姿がある。信号が変われば、車の群れが一気に難波の方に走っていく。レフィ−川を渡りりながら、街灯に照らされているオコンネルさんを見た。彼に「人々は皆、どこに行ったん?」と聞いてみた。パブが賑わっているのだろうか?

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