ウィリアムズ通りから小さい裏道に入った。古いビルが並ぶ路地でひっそりしている。奥に聖ニコラス教会の中庭が見えて来た。石造りで屋根に緑色のとんがり帽子の時計台が聳えている。正面入り口の高い鉄の扉は開いたままである。小さい中庭が有り、奥に古いブリック建築の本堂の建物がある。ずっしりと重量感のある木製の扉は閉ざされている。近づくと「拝観料1ポンド」と質素な張り紙がしてある。
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教会内最大の
ステンドグラス
ガラス窓は床から高い天井に至まで広く長く延びている。そこから赤、水色、黄色など明るい色が、薄暗い礼拝堂の正面奥でエキゾチックな光景を放っている。
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鉄の取手を握り大きな扉に体重を掛けながら押してみた。「ギー」と鈍い音を立てながら開いた。入り口付近は薄暗くてなにも見えない。急に暗所に入った為に目が慣れない。右手の方にかすかな電灯の光が輝いている。講堂の中央は、幅2m程の通路(バージンロード)が奥の演台に続いている。両側に長椅子と机が、それぞれ10列ぐらい並んでいる。建物は「2階」はなく直接に高い天井までが見えている。左右の壁と正面に大きなステンドグラスの窓が数カ所かある。
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